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回復期リハビリテーション病棟の看護師の役割…知っているようで知らない世界。
回復期リハビリテーション病棟とは、平成12年(2000年)に誕生した比較的新しい病棟です。
まだまだ、他の科に比べて病棟数も少ないので、ご存じない看護師さんも多いのではないかと思います。
リハビリテーションって世間では良く聞く言葉ですよね。
私も表面的には、わかっているつもりでしたが、実際に転職しリハビリテーションの世界に足を踏み入れてみると、今までにない新しい視点や奥深さに気付き、驚くことが沢山ありました。
そして“この仕事、面白い!”と感じるようになりました。
回復期リハビリテーション病棟や、その役割にまだピンと来ない看護師さん、実は興味がある看護師さんに、是非とも回復期病棟の看護の役割についてお伝えしたいと思います。
回復期リハビリテーション病棟 看護師の役割…まず、どんな所なの?
回復期リハビリテーション病棟での看護師の役割を考える前に、まずは基礎知識からいきましょう。
あなたの今までの経験から、次のような患者さんに出会ったことはありませんか?
自宅に帰りたくても障害が残り自宅退院することが出来なかった患者さん、療養病院・施設で長期入院・入所していながら自宅に帰りたいと切実に訴える患者さん…
こんな時、看護師として患者さんの希望を叶えられないことに、歯がゆい思い、悔しい思いをされたことはありませんか?
家に帰りたいという希望を叶えるために私は何ができたのだろう…と、以前から臨床で悩むことが多くありました。
そんな私に、回復期リハビリテーション病棟での経験はその答えを教えてくれました。
回復期リハビリテーション病棟とは、簡潔に言うと「在宅復帰する」ための病棟です。
もう少し加えていうと「集中的リハビリテーションを行い、障害のできる限りの改善とADLの自立を図る」という役割をもった病棟です。
入院患者さんは、急性期(生命の危機状態、手術直後で全身状態が不安定な時期)は脱していても、障害が残存していたり体力が低下してしまい、病前の生活に戻ることができない方が対象です。
多くは、脳卒中や脊髄損傷、整形外科疾患、廃用性症候群など疾患の方です。
患者さんを在宅復帰させるためには、やはり医師と看護師だけのケアでは限界があります。
回復期リハビリテーション病棟は、リハビリテーション専門医、看護師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、医療ソーシャルワーカーが協力して行う「他職種のチーム医療」がベースとなり、チームが一丸となって目標に向かってその役割を果たしている病棟なのです。
回復期リハビリテーション病棟の看護師の役割とは?
回復期リハビリテーション病棟の看護師の役割について、本題です。
急性期を脱してリハビリテーションを行っている患者さんに対して、あなたは看護師として何ができると思いますか?
障害に対してのリハビリテーションは、理学療法士等のリハビリ専門家が個別に行っていきますよね。
では、看護師は?どのような役割があるでしょうか。病態観察して、投薬管理して、車椅子に乗せて身の回りの事を手伝って、急性期じゃないから頻回の検査や難しい機械はなさそうだな…なんて。
普通の一般病棟と、そんなに大きくは変わらないじゃないかなあ、と思う方も多いのではないでしょうか。
しかし見た目は同じような仕事でも、実は、回復期リハビリテーション病棟では視点や考え方、役割に特徴があります。
大きな特徴は、他の病棟に比べてリハビリテーションの時間がとても長いということです。
リハビリスタッフによる個別のリハビリは、なんと1日最大3時間あり、とても長いです。
まずは、バイタルチェックから患者さんの健康状態を観察しますが、回復期リハビリテーション病棟では今日もリハビリテーションが安全に行えるかどうかを判断することが役割として求められます。
看護師が日々の状態確認をしっかり行っていることで、リハビリ中の事故を防ぎ、スムーズに進行させることができます。
言ってしまえば、チームの全体を把握するマネージャーのような存在です。
特に、睡眠・排泄リズム、食事時の誤嚥はないか、麻痺の悪化はないか、同じ姿勢が多い患者さんは褥瘡の危険性はないかといったところを観察しています。
異常があったときは、医師やリハビリスタッフと相談・連携してその日の運動量を検討していきます。
また、病棟生活での看護師によるADLケアもリハビリテーションの一環となります。
ケアのポイントは、患者さんができることは自分でやってもらい、出来ない所だけ手助けをする役割を担う、ということです。
そして介助を加えながら、ベッド上での生活を極力避けて、積極的に食堂への移動やトイレでの排泄、入浴、洗面を行っていきます。
特に高齢者において、ベッド上でADLを済ませてしまうことは、患者さんの生活能力や体力の回復を返って妨げ家族の介護負担を大きくし、在宅復帰を遠ざけてしまう可能性があります。
つまり、病棟生活の中でもいかに患者さんの活動量を増やしていけるかが、その患者さんの身体を回復させるキー(カギ)になり、看護師は常に在宅復帰を想定してADLケアに時間をかけていきます。
個別リハビリで獲得した(能力として)「できるADL」を(日常的に)「しているADL」へ繋げていくことが回復期リハビリテーション病棟の看護師の最も重要な役割なのです。
これは、外科や内科等の病状改善や安静が目標となる病棟とは大きく違う所だと思います。
一般に治療病棟では病状を安定させることが優先で、なかなかADLにまでじっくり介入することは難しい現場もあるのではないでしょうか。
回復期リハビリテーション病棟のようなADLケアを実現させるためには、やっぱり「他職種チーム医療」が欠かせません!
定期的な他職種によるリハビリカンファレンスで、患者さん1人1人がどのような障害をもち、現時点でどの位の身体能力があるのかを常に情報共有します。
回復期リハビリテーション病棟 看護師の役割…患者さんや家族とのコミュニケーション
回復期リハビリテーション病棟での看護師の役割として、もう一つ大切なものがあります。
あなたの経験から、業務が忙しくてなかなか患者さんとコミュニケーションの時間を取ることができない現場はありませんでしたか?
検査や、処置・入退院の多さや人員が少ない等の理由で業務を回すことに精一杯で、患者さんとじっくり話す機会が少ない現場もあるのではないでしょうか。
回復期リハビリテーション病棟では検査や処置、点滴管理が少なく、入退院の頻度も比較的ゆっくりなので、ADLのケアやコミュニケーションに時間を割くことができる現場ということも特徴の一つです。
患者さんとじっくり話をしたり、関わりたいと思っている看護師さんにはお薦めかもしれません。
回復期リハビリテーション病棟ではADLは勿論のこと、QOL・障害受容という視点も特に重要視しています。
急性期は混乱状態にありますが、回復期で意識がはっきりしてくると障害が受容できずに悩まれる患者さんは沢山います。
“麻痺した手足は、リハビリでどの程度改善するのかな”
“このまま歩けなくなったらどうしよう”
など強い不安でいっぱいになります。
年代も高齢者から若い仕事盛りの患者さんまでいらっしゃるので、悩みは障害や介護資源のこと、復職や趣味の制限について等、個人によって様々です。
長期入院の中、患者さんの多くが不安とストレスから精神的に不安定になる時期を経験するため、傾聴的姿勢や精神的サポートは看護師の重要な役割です。
また、脳卒中に特有の高次脳機能障害による失語や失行、失認、記憶障害といった目に見えにくい症状が認められる患者さんも多くいます。
この障害は、身体障害とは違い他者に理解されにくいことから、患者さんが孤独な思いをしたり、実際に復職の妨げになるケースが多くあります。
看護師の役割としては高次脳機能障害の症状を理解し、個々の患者さんのペースに合わせてコミュニケーション(話し方、メモ筆談、ジェスチャー、表情)を図ることが必要です。
日々の看護において何気なく行う関わりも、大切な役割です。
患者さんとの意思疎通を可能にし、コミュニケーション能力の改善につながっているのです。
その積み重ねが、社会復帰に向けての大切なリハビリテーションの一つとなっています。
回復期リハビリテーション病棟での看護師の役割は、欠かせないものです!
回復期リハビリテーション病棟における看護師の役割は、ここまでのお話をまとめると、「病棟生活の中で患者さんのADLを向上させること」これは、食事や排泄だけでなくコミュニケーションの能力も含まれる幅広いものです。
そして、「患者さんの精神的ケア」「他職種チームの一員としての連携」です。
なんだか、他の病棟とは違う特徴的な役割ですよね。
回復期病棟の看護師は、病状観察、医療処置だけでなく、更に一歩踏み込んだ「生活」や「生きがい・人生」に関わっていくことができます。
そして、あなたの連携の仕方次第で退院後の患者さんの生活をよりよいものにしてしていくことのできる病棟です。
こういった役割を担えることは、看護師として医療知識以外にも得るものが大きい現場ではないかと、私は感じています。
病院によって色々な特色もあると思いますので、まずは相談されて、一度見学などしてみてはいかがでしょうか。
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執筆者情報
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